この度ROD GALLERYでは岡野智史の個展を開催いたします。
 
本展は岡野智史にとってROD GALLERYでは初の展覧会です。
 
詳細は以下のとおり。
 


エアブラシを使った特殊な技法を使い、モニターに映ったような図像を再現する試みを近年行っている。
 
今回は主にアニメーションなどの登場人物を題材に制作を行った。展示のタイトルもこれをもって「ROLES」と名付けた。
 
ロールプレイのロールであり、役とか役割といった意味がある。
 
役とは本人そのものではないが、他者との接点でもある。
 
 
制作者としては、作業の工程や技法から表面上に現れてくるものをかなり物理的に観測してしまう側面があるが、鑑賞者は制作者の意図を飛び越えた鑑賞体験をすることが多い。
 
極端にいえば、微笑んでいる女性に見えるものが制作者にとってはキャンバス上にのっている絵具にしか見えていないこともある。
 
絵画の表面は、制作者と鑑賞者の間にあって、実はどちらからも確定できないぼんやりとしたもののようにも思える。
 
岡野智史


絵画史のなかで光の表現は空間表現とともにさまざまな試行錯誤がなされてきた。
 
レンブラントのドラマティックな光と影、心象画のようにさえ思えるターナーの夕日の描写、シスレーなど印象派画家たちの筆触分割と呼ばれる点描画など時代毎に描かれる光の表現があった。
 
岡野さんの作品は小さなブラウン管テレビの中から発されるような無機的かつどこか懐かしい光が描かれ、どこかで見たアニメのワンシーンを彷彿とさせる図像がノスタルジックな雰囲気を醸し出している。
 
薄暗い室内でなんとなくテレビが流れ続けているような、受ける光も図像もどこか受動的でぼんやりとしたものであるように感じられるが、その受動的な状態そのものが光を含む外界との関わり方を表しているようで、明るくポップな色彩とは裏腹に作品の根底に妙な静けさを孕んでいることに気付かされる。

RODGALLERY ディレクター 藤田 つぐみ


 
▶︎展覧会名
岡野智史個展「ROLES」
 
▶︎開催期間
2024.02.9(金) - 2024.02.26(月)
 
▶︎アーティスト
岡野 智史
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