Biography
集治 千晶
私の大きな関心ごとの一つが「人形（ヒトガタ）」である。
強い興味を持ったのは15年ほど前に出会ったある人形作品がきっかけだった。
ただの遊び道具、そして一方的に愛でるためだけのものだと思っていた「人形」に初めて心を強く揺さぶられた。
今までに感じたことのない感情が込み上げ、そこに生命を感じると同時に自己投影してしまう自分。
この感覚は一体なんなのか？それ以来ずっと考えてきた。
生命を感じるという事はその先に繋がる死の気配があることも意味する。
「ヒトガタ」のフィルターを通すことで、直視することが難しい「生・死」という逃れられない概念の美しさに、
本人も気づかない深層心理の中で自然にアクセスしているのではないのだろうか。
遊び道具、愛でる対象、呪いの道具、美術品、依代、その他様々な形で
「ヒトガタ」は私達の凝り固まった認識の中を縦横無尽に駆け巡ることができるパスポートのようなものではないかと思う。
そんなことを考え出すと益々気になってくる。
私の作品に出現する「ヒトガタ」の要素が鑑賞者の心にどう影響するのか。
制作を通じて私なりの考察をしていきたい。
プロフィール
1973 京都に生まれる。
1996 京都精華大学美術学部造形学科版画専攻卒業
1998 京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻版画修了
2005 京都市芸術新人賞受賞
他、国内外で個展、グループ展多数
銅版画の発表から活動を開始し、絵画、ミクストメディアなどの平面作品を発表してきた。
15年ほど前に出会った人形作家より強い影響を受け、ここ数年は銅版画、絵画、人形、ぬいぐるみ、手芸、BOXアート等の
要素を融合した独自のスタイルで立体作品も手がけている。
Works
