この度RODGALLERYでは集治千晶、竹久万里子による2人展「Scape Doll」を開催します。
 
絵画や手芸、人形パーツなどを自由に用いて少女性を内包した愛らしさと毒気を鮮やかに表現する集治千晶。
 
様々な選択肢を前に現代を生きる女性の姿を人形に投影して描く竹久万里子。
 
2人の扱う共通モチーフである<人形>に関連した作品が今回の展示の軸となっています。
 
展覧会名である「Scape Doll」はスケープゴート(身代わり、生贄)から由来するものですが、幼少期の着せ替え人形遊びに限らず、人は人形に自分自身や理想の姿を投影することで物語を空想し、時には呪術に用いるためにヒトガタを扱ってきました。
 
集治の作る心臓や手足の造形物はボックスの中に収められ、あるいはぶら下り、未分化の混沌としたい夢のようにも、小さな祭壇のようにもみえます。
 
竹久の光に照らし出された人形たちはどこか匿名の女性像のように、仕事や出産など成人女性が直面する事柄に対してごっこ遊びから等身大の人生選択へと現実化した取捨選択について静かに独白しているかのようです。
 
<人形>から映し出されるそれぞれの表現の在り方をどうぞご高覧ください。
 
RODGALLERYディレクター
藤田つぐみ
 


 
人形って何なんだろう?ここ15年ほどずっと考えています。
 
私たちは無機質な物でも人の形に見えれば何故か魂が宿るようなイメージを持ち、それは心に様々な影響を与えます。
 
私は物質が人形として変化を遂げる過程に何があるのかがとても気になっており、その狭間で揺れ動く私たちの認識の中に人間の本質のようなものを垣間見ることができるのではないかと考えています。
 
たとえそれがはっきりと見えなかったとしても、創作を通してそこにアクセスしようとする試みは私にとってとても意味があることだと思っています。
 
集治 千晶

 

 
幼い頃に心を寄せて遊んだファッションドール。
 
大人になった今、それは詩的なモチーフとして、私の中に存在し続けています。
 
ファッションドールの肖像画は、匿名の女性像として多くの人々のストーリーを映し出し、言葉にならない声で語りかけます。
 
空気の澄んだ明け方に見る夢のような、儚く朧げな情景の中の強く逞しく美しい女性像。
 
作品を通して、現代を生きる女性たちの様々なドラマを描いていきたいです。
 
竹久 万里子
 


 
▶︎展覧会名
集治千晶×竹久万里子2人展「Scape Doll」
 
▶︎開催期間
2024.9.6(金) - 2024.9.23(月)
※火 - 木曜休廊。
※11:00 - 19:00まで。
 
▶︎菊地 浩平×集治 千晶×竹久 万里子トークイベント
2024.9.14(土) 14:00 -
菊地浩平(きくち こうへい)プロフィール
1983年生まれ。早稲田大学文化構想学部 表象・メディア論系助教等を経て現在は白百合女子大学で准教授を務める。研究対象は人形文化全般。
※無料。参加人数に制限がありますので、ご了承ください。
※予約の方は優先的ご入場いただけます。立ち見の場合は安全面の観点よりスタッフが入場制限を当日行うことがございます。
※予約はメールまたはメールフォームにて行なっていただきますようお願いいたします。予約が上限に達した場合は立ち見となります。
※メールに参加人数・お名前をご記入のうえ、ご送信ください。
 
▶︎アーティスト
集治 千晶(しゅうじ ちあき)
竹久 万里子(たけひさ まりこ)
※名前をクリックするとアーティストページに遷移します。