この度ROD GALLERYでは濱口健の個展を開催いたします。
2023年4月グループ展、5月個展に続き、濱口にとってRODGALLERYでは3度目の展覧会です。
詳細は下記をご覧ください。
誰かを(または何かを)待とうが待つまいが、
そこに居るひと(またはモノ)は、誰もが待たされるひと。
濱口 健
絵画を学ぶ際にはデッサンや習作を繰り返し制作し、しっかりと描き込むことで他者に描いているものを伝えるための努力が必要になる。
濱口さんは多摩美術大学の日本画専攻を卒業されているので、日本画の世界ではさらに丹念に対象を観察し画面に写しとることが必要であっただろう。
それを踏まえた上で今回の展示作品を見ると、丹念にひとつの画面に何人も描かれた外国人グラビア女性、脈略の無いハイビスカスや菖蒲の花、大仏などがしっかりと描写されている。
描けば描くほど意味から遠のき、カオスに呑まれていく様とその手数の労力に圧倒される。
はっきりと話しているのに何も意味が通っていない会話のようなクリアな筆致で描き出される、どこかチープな煩悩の数々。
通常意味からの解放を求めると抽象化が進むことが多いと思うが、丁寧にそれぞれのモチーフが描き込まれていることで違和感が強調されているようだ。
やればやるほど散らかっていく全身全霊のストイックな意味のなさが濱口さんの作品の魅力となっている。
時代の合理性とどこまでも逆行しながら、安易な整合性を求めないその姿勢は、まわり回って丹念に対象を見つめる古の日本画家たちの生真面目な姿勢に通じるものがあるのかもしれない。
藤田 つぐみ
▶︎展覧会名
濱口健個展「待合室」
▶︎開催期間
2024.07.05 - 2024.07.22
▶︎アーティスト
濱口 健
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